厚生労働省は9月22日、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるオンライン資格確認システムを10月20日から本格運用することを公表した。同日開催の社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)医療保険部会=写真=に提示した。
当初は3月中に本格運用を開始する予定だったが、プレ運用期間中に問題が生じたことから延期されていた。
本格運用により、健康保険証として利用できることに加え、医療機関・薬局で健診や薬剤などの情報が閲覧できるようになる。さらに10月中旬からマイナポータルで自分の情報を、11月からは医療費通知情報も見ることができるようになる。
ただ、9月12日時点で同システムの運用に必要な顔認証付きカードリーダーを申し込んでいる施設数は全体の56.3%、準備が完了しているのは全体の5.6%、プレ運用施設数は1.5%にとどまっていることから、本格的に活用されるようになるまでには時間がかかりそうだ。
なお、マイナンバーカードを忘れて受診し、保険証も持参していない場合は、通常の保険証を忘れた場合同様、医療費の全額を医療機関に支払い、後日、資格を確認した上で自己負担額に応じた額が返還されることになる。
厚労省から説明を受けた医療保険部会の委員からは、利用できる医療機関を早期に拡大することの必要性、閲覧可能になる情報を限定すべきという意見、情報漏洩への懸念などが示されていた。