■ゲートキーパーとしてのかかりつけ医
医療においてアクセスの保障は重要であるが、問題はその方法にある。今回の新型コロナウイルス感染症に関して諸外国の対応を報道などで聞くと、英国やオーストラリアなどでは、自分に感染の疑いがあると、病院に行くのではなく、まずはかかりつけ医に相談する。かかりつけ医は「ゲートキーパー」である、地域において患者や国民に最も近いところ位置するプライマリーケアの中心的な存在である。
日本では、風邪などでよく受診する近所の診療所はあっても、ゲートキーパーの役割を果たすかかりつけ医は、政府が普及させようとしているものの、まだまだ未発達である。重篤な状態であれば、救急車で病院に搬送し治療する必要があるが……