Smart119(千葉市)は身近にあるパソコンやスマホにより、医療従事者の緊急招集をスムーズに実施できるサービス「Smart ACES」(スマート・エイシス)を、一般医療機関向けに発売した。
医師・看護師といった医療従事者の緊急招集は、主に電話によるオンコールで1人ずつ連絡して確認してきた。これに対し、クラウドシステムを利用したスマート・エイシスは、メール、LINE、LINEWORKSを駆使して、自動的に招集をかけることができる。
すばやく、効率的に医療スタッフを集めることができるため、救急患者が搬送を断られる「たらい回し」を減らすことも期待できる。
スマート・エイシスは専用端末を新たに導入する必要がなく、スタッフが各自持っているスマホや病院のPCで利用できる。
病院はスタッフに一斉に呼びかけ、必要な人数を無駄なく集めることができるほか、病院側から一方的に連絡するだけでなく、スタッフ側からも何分後に現場へ到着可能か送信できる。
災害時には安否確認に利用することも可能。特許も取得しており、論文で効果を報告している。
また、新型コロナウイルス感染症防止につながることが期待できる中小企業の優れた新商品として、今年度の「千葉市トライアル発注認定事業選定商品」に選ばれ、千葉市がPRと導入契約の支援を行う。
すでに国立大学の付属病院などで実験導入されており、このほど一般病院向けにUI(ユーザーインターフェイス)・UX(ユーザーエクスペリエンス)の改善を施し、発売することになった。
医療機関が中心となってスクラッチ・ビルドで開発したシステムであることから、医療機関からの要望があれば、柔軟に機能の追加や変更が行えることも長所の1つとなっている。
Smart119は千葉大学医学部発のベンチャー企業で、救急医療支援システム「Smart119」の開発・運用を手がけている。