現場の声が行政を動かし訪問介護の感染対策が前進した(下)

2020年 7月 20日

中澤まゆみ
ノンフィクションライター
■密になる訪問介護の感染対策が手薄だった
 現場の声を行政に、と考えたのは、私自身が介護の現場に実際にかかわっていたことも大きかった。講演の仕事が次々とキャンセルされ、時間ができたため、この際、コロナ下の介護の現場を見てみようと、4月から契約で訪問介護を開始した。週2回の“なんちゃってヘルパー”だが、そこで最初に気がついたのが、訪問介護での新型コロナへの感染対策への手薄さだった。
 採用された大手事業所から渡されたのは、研修テキストをコピーした実に簡素な「感染対策の基本」A4裏表1枚と、ノロウイルス対策用キット(マスク、使い捨て手袋、ビニールエプロン、説明書1枚)のみ。仲間の介護事業者に聞くと……
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在宅の高齢患者が陽性となったら入院しなければならないのか(上)

新田國夫
新田クリニック院長、日本在宅ケアアライアンス議長
■訪問でウイルスを持ち込んではならない
 新型コロナウイルス感染症は在宅医療に何をもたらすのだろうか。厚生労働省の報道発表資料によると、日本国内で最初の患者が確認されたのは今年1月14日だ。しばらくして2月上旬、横浜港に停泊していたクルーズ船内での感染が明らかになり、船内の感染者が徐々に増えていった。正直なところ、このころは他人事のような感覚で見ていた。
 在宅療養の患者は85歳以上の方やがん、難病の方が多く、発熱は珍しいことではない。在宅患者が発熱すれば、我々医師は、原因を探るために採血して白血球、CRP等の数値を調べる。その数値が高ければ、診察での所見と併せて感染症と診断をつける。外来や入院の患者と同じ過程である。
 2月ごろまでは……

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