〈コラム〉の記事一覧
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第17回 増大する社会保障費をどう賄うのか(2)

第17回 増大する社会保障費をどう賄うのか(1)

 社会保障をめぐる論点について取り上げてみよう。最初のテーマは「増大する社会保障費をどう賄うか」である。
Ⅰ 社会保障費の動向
 議論の前提として、社会保障費の動向について確認しておきたい。2022年度の社会保障給付費(予算ベース)は…

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第27回 日本人のメンタリティと終末期

第27回 日本人のメンタリティと終末期

■65歳でステージ4の胃がん
 前回に続いて、患者の意思決定についてもう少し考えたい。今回紹介するのは65歳の男性で、今年6月下旬、病院に紹介されて新田クリニックを初診された。病名は胃がん、ステージ4であった。
 2月初めに病院を受診し、この月の中旬から外来で抗がん剤による治療が開始された。3月、担当医が交替して…

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第12回 わがままハウスの共同生活

第12回 わがままハウスの共同生活

 最近、わがままハウス山吹に引っ越してこられた方がいます。山口県から移住された95歳の加藤則夫さん(仮名)です。
■95歳まで自動車の運転
 加藤さんは移住する前、山口県で一人暮らし。認知症はなく、ご近所の高齢者の世話まで行っていました。驚くべきことに95歳で自動車の運転も行っていたとのこと。一人息子の悟さん(仮名)は…

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第10回 サービス生産性の議論の仕方

第10回 サービス生産性の議論の仕方

 これからの社会保障のあり方、そして必要となる改革について議論をしている全世代型社会保障構築会議の下に、公的価格検討委員会というものが置かれている。その会議の第3回、2022年3月15日に次のように話していたら、結構多くの人が議事録を読んでいるようで、医療・介護関係の人たちから何度か連絡がきた。
 
もう一つですけれども、この会議の2回目に生産性というものは物的生産性と付加価値生産性というのがありますということを話しました。そして、物的生産性というのはアダム・スミスがピンを作るのに1人の労働者だったらば何本、だけれども、分業と協業でやっていくと1人当たりで作る本数が何本まで増えるという形で物的生産性をはかることは可能なわけですが、今、我々が対象としているのは物的生産性をはかることができないサービス業なのですね。
財の生産の世界で物的生産性にイクイバレントなサービス生産性の分子というのは、質ですね。サービスの質、QOL、患者の満足度であるというようなもので、この質を分子に置いて、そして、経済学でいう等量曲線といいますが、労働力がこのくらい、資本がこのくらい、この組合せだったらばこれだけの量を生産することができますという等しい量になる組合せの図というのがあるわけですけれども、この等量曲線のような等質曲線を一定として我々はICTやロボットを活用して労働力を減らすことができるという議論をしているのだろうと思います。
ICTを活用した生産性の向上と言われると私は意味が分からなくなるのですけれども、恐らくそういう議論をしているのだと思うのですね。
 
 この話は、図にするとわかりやすいので、今回はそうした話をしておこうと思う。
 経済学では、投下される労働力と資本の組み合わせによって等しい量の財を生産できる線を「等量曲線」と読んでいる。そして私は、サービスの場合は、「等質曲線」と呼んだ方がいいと考えている。
 図1は、同じ水準の質のサービスを提供するための…

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第11回 「住まい系」の課題はサービス選択と医療ニーズ対応

第11回 「住まい系」の課題はサービス選択と医療ニーズ対応

 過去2回にわたり、「住まい系(本稿では、特定施設以外の住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅と定義しています)」について触れてきました。初回は、いわゆる「施設」サービスの提供方法の変化、すなわち「住まいとケアの分離」…

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第17回 増大する社会保障費をどう賄うのか(2)

第16回 厚生省と厚生労働省の審議会(下)

■厚生労働省の「外部」から
 厚生省(厚生労働省)の審議会では、結論が出ずに「改革」が進まないという事態が生じました。これに対して、外部からの提言がなされることになります。
 古くは1980年初頭の第二臨調が挙げられます。厚生省は、この第二臨調の議論の後押しを得て、従来の審議会では合意形成が困難であった老人医療費無料化の廃止…

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第17回 増大する社会保障費をどう賄うのか(2)

第16回 厚生省と厚生労働省の審議会(上)

 大熊由紀子さん(元朝日新聞記者・論説委員)は、記者を引退してから年に1度「えにしの会」を開催している。「えにしの会」では、毎回、講演やシンポジウムなど盛り沢山のプログラムが実施されてきた。筆者も初期の頃、シンポジスト等として何回か参加したことがあった。
 7月上旬にその大熊さんから、急遽、月末に開催する今年の第22回「えにしの会」(遠隔で実施)の第2部に…

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