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第2回 腹立たしいうがい薬騒動、在宅患者にしわ寄せ

第2回 腹立たしいうがい薬騒動、在宅患者にしわ寄せ

 在宅患者様の疾患はさまざまです。現在、私たち薬局で関わる患者様の疾患は、個人在宅を受け持っている場合、どこでも大差はないと思いますが、関わり方は病態により変わってくるのではないでしょうか。関わる期間も、短期間の方も長期間の方もさまざまです。
■自宅に閉じこもりテレビ報道に一喜一憂
 短期間の方には、頻回に深く関わることが多い傾向があります。長期にわたる疾患ですと、おつきあいが十数年にわたる方もおられ、安定していれば、今までは月に2回の訪問診療のあと処方がでて、私たちが訪問していました。コロナの影響で医師の訪問も1回になり、お薬もまとめて1カ月分をお届けし、その後に電話での服薬指導となっています。
 新型コロナ感染の拡大から半年がたちましたが、いまだ終息のめどさえたっていません。第2波と思われる時期と人が移動する時期が重なり、感染が拡大しないか心配しています。そのことは在宅患者様でも同様で、ほぼ半年近く、自宅から一歩も外に出ていないご家族もいらっしゃいます。とくに高齢の夫婦2人で暮らしている方の中には……

第2回 地域支援事業はコロナ禍の下で何ができるか

第2回 地域支援事業はコロナ禍の下で何ができるか

■予定通り動かない地域支援事業
 「このコロナの状況じゃ、地域包括ケアとか言っていられないですね」
 ここ数カ月、同じようなことを何度か質問されました。緊急事態宣言が出された4月から6月にかけて、ほとんどの地域で通いの場活動は休止したと思います。その後、徐々に再開されていますが、地域の空気が変わってしまったと感じている方も多いと思います。
 地域支援事業の停滞感は、通いの場などの住民主体の活動だけではなく、在宅医療・介護連携推進事業についても、同様です。昨年度中に計画していた研修会やセミナーの類の多くが延期やキャンセルされていることでしょう。地域の緊迫した状況の中で、地域ケア会議の開催にも慎重になっています(私自身、いただいていた講演のほとんどが中止、または延期になりました)。そうした流れの中で、冒頭のように「地域包括ケアどころじゃない」という言葉が出てくるのは、自然なことかもしれません。
■通いの場が封じられたなら別の手段を
 通いの場の展開が難しくなったこの状況下で……

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第2回 認知症のある患者の透析に家族が付き添えない

第2回 認知症のある患者の透析に家族が付き添えない

■せん妄が出て1日で退院させられる
 ある患者さんは、86歳で元看護師の女性。難聴でレビー小体型認知症もある。新田クリニックの外来に通院していたが、最近は訪問診療となった。この方が腎不全となって投薬で治療していたが、クレアチニンが次第に高くなってきた。透析を検討する段階になっても、元看護師で医療知識のある本人は「透析は絶対に嫌です」と拒否していた。
 腎不全は進み、クレアチニンは透析の適用を大幅に超えるような数値となった。全身がむくみ、胸水も溜まり始め、息苦しさも現れている。これは透析しないと命にかかわる段階だ。そこで本人に改めて筆談で尋ねると、ついに「透析を受けてもよい」という答えで、透析病院を紹介した。透析は通常週3回、1回に4時間程度かかり、日帰りで行うが……

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第2回 コロナが訪問事業に落とす影

第2回 コロナが訪問事業に落とす影

 施設におけるクラスターと比べ、訪問介護や訪問看護、ケアマネジメント業務等、いわゆる訪問系での新型コロナウイルス(コロナ)の影響はこれまであまり聞かれなかった。
 ほとんどの施設では、緊急事態宣言下と同様に家族の施設来訪・面会を謝絶しており、変わらず感染のリスクに神経を尖らせなければならない日々が続いている。一方で訪問系においては、利用者、職員やその家族等関係者に陽性反応が出たといった報告が顧問先から幾つか寄せられ、その瞬間はヒヤリとするが、そこへの訪問や出勤を停止することで感染拡大等の事態には至っていない。地域のデイサービスやショートステイが閉鎖することで、ニーズが高まりむしろ多忙になった事業所が多いという印象であった。
■ケアマネが一斉に退職届
 ところが最近、まさにコロナの影響による“大事件”がある事業所で起こった。遠い県外まで新幹線で現地に赴いたが、それは次のような事態であった。
事業所は……

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第1回 令和2年の年金改正を振り返り、課題を考える(下)

第1回 令和2年の年金改正を振り返り、課題を考える(下)

■適用対象や受給開始時期を改正
 厚生労働省は、今回の法改正の趣旨について「より多くの人がより長く多様な形で働く社会へと変化する中で、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るため、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大、在職中の年金受給の在り方の見直し、受給開始時期の選択肢の拡大、確定拠出年金の加入可能要件の見直し等の措置を講ずる」としている。
 いくつかの改正点を説明しよう。まず、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大である。これは「社会保障と税の一体改革」の枠組みで行われた2012年の年金改革で着手されたものであるが……

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第1回 令和2年の年金改正を振り返り、課題を考える(下)

第1回 令和2年の年金改正を振り返り、課題を考える(上)

■あっさり成立した年金改正法
 今年の通常国会(第201回常会)は野党が会期の延長を主張するなかで、会期の延長は行われず6月17日に閉会した。150日の会期であったが、新型コロナウイルス感染症が蔓延して世の中が騒然としたためか、あるいは東京オリンピック・パラリンピックの開催を想定し政府が提出法案をあらかじめ絞り込んだせいか、国会審議は盛り上がりに欠け、存在感が薄い国会であった。
 この国会における厚生労働省からの提出法案は、労働基準法改正法案、雇用保険法等改正法案、年金改正法案、社会福祉法等改正法案の4本であり、例年よりも少ない提出法案数であった。なお、国会終盤になって……

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第2回 アビガン承認をめぐるドタバタ劇

 テレビも新聞も混乱している。新型コロナウイルスの報道である。方向性が真逆の内容が並ぶこともある。どこも社内は大揉めなんだろう。揉める事情はひとえに、日頃は医療に関心のない人が記事を書いたり、書かせたりしているからだ。素人と感覚が変わらないから、世の共感を得やすく、ボルテージがさらに上がる。
 最初の混乱は、PCR検査だったと思う。私も社内で怒鳴られたり、怒鳴り返したりして疲れ果てた。これはまたの機会にする。
■新型コロナの「特効薬」?
 次の大きな混乱は「アビガン」だった。新型コロナウイルスの特効薬として、ある日突然、浮上した。加藤勝信厚生労働大臣が2月……

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第1回 社会保障ナンバーの必要性――映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」に思うもの (下)

第1回 社会保障ナンバーの必要性――映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」に思うもの (下)

■本当に困っている人がわからない日本
 最近のイギリスにおける「即時的情報(Real Time Information)計画」をはじめ、以前からアメリカの社会保障番号などが整備されてきた状況を考えれば、国民の所得、生活の状態を国が把握できていないということが、今や先進国の中の日本の際だった特徴になりつつある。日本では、住民税非課税世帯であるかどうかの情報くらいしか国側からはわかっておらず、今回の新型コロナが襲った国民の生活を、政策として支えようにも誰が本当に困っているのか、残念ながらよくわからないのである。
 タックス・クレジットを行うためには、所得の随時捕捉は必要であるから、それを行う国では、そうしたインフラの整備が進められてきた。だからそうした国々は……

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第2回 地域支援事業はコロナ禍の下で何ができるか

第1回 データ分析しても地域課題が見えないのはなぜ?(下)

■時系列分析で地域の「変調」を知る
 では、データ分析と、地域課題の解決をうまく連動させるには、どういうことに気を付けたらいいのでしょうか。
 まず、健診データともいうべき基本データ、特に高齢化率や認定率、保険料、保険給付のデータなどは、時系列でのモニタリングがポイントです。他の市町村との比較も意味はありますが、介護保険も20年を超えており、高齢化や地域資源の状況には、簡単に解消しない格差があります。差があることを問題にしてもあまり意味がないのです。むしろ、同一地域における時系列の変化を見ることで地域に何が起こっているのかを知ることが大切です。これは、健康診断でもまったく同じではないでしょうか。
 そして健診段階では地域課題が見えるわけではない、ということも……

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第1回 新型コロナをチャンスととらえて 今できる最大限のことを考えよう(下)

第1回 新型コロナをチャンスととらえて 今できる最大限のことを考えよう(下)

■病院も在宅もざわざわとして…
 オンラインミーティングでは、こんなことが打ち明けられました。
 病院では、家族の面会ができないため、緩和ケア病棟でさえ、家族が寄り添えずに亡くなった方もいました。高齢者が誤嚥性肺炎を発症しても、感染を否定できないという理由からかなかなか入院できず、入院できても絶飲絶食になります。病棟では、口腔ケアや食べるためのリハビリを積極的には行えないでいました。
 5月以降、訪問看護や訪問診療の新規依頼が増えているという現象があちこちで起こりました。入院すると家族と会えなくなるから、という理由で在宅医療によるサポートを選択しているのではないか。十分な退院支援がないままの在宅ホスピス移行も多い中、訪問看護師、ケアマネジャーが、これまで作り上げてきた連携力を最大限活用して……

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