〈コラム〉の記事一覧
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第2回 コロナが訪問事業に落とす影

第2回 コロナが訪問事業に落とす影

 施設におけるクラスターと比べ、訪問介護や訪問看護、ケアマネジメント業務等、いわゆる訪問系での新型コロナウイルス(コロナ)の影響はこれまであまり聞かれなかった。
 ほとんどの施設では、緊急事態宣言下と同様に家族の施設来訪・面会を謝絶しており、変わらず感染のリスクに神経を尖らせなければならない日々が続いている。一方で訪問系においては、利用者、職員やその家族等関係者に陽性反応が出たといった報告が顧問先から幾つか寄せられ、その瞬間はヒヤリとするが、そこへの訪問や出勤を停止することで感染拡大等の事態には至っていない。地域のデイサービスやショートステイが閉鎖することで、ニーズが高まりむしろ多忙になった事業所が多いという印象であった。
■ケアマネが一斉に退職届
 ところが最近、まさにコロナの影響による“大事件”がある事業所で起こった。遠い県外まで新幹線で現地に赴いたが、それは次のような事態であった。
事業所は……

第1回 令和2年の年金改正を振り返り、課題を考える(下)

第1回 令和2年の年金改正を振り返り、課題を考える(下)

■適用対象や受給開始時期を改正
 厚生労働省は、今回の法改正の趣旨について「より多くの人がより長く多様な形で働く社会へと変化する中で、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るため、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大、在職中の年金受給の在り方の見直し、受給開始時期の選択肢の拡大、確定拠出年金の加入可能要件の見直し等の措置を講ずる」としている。
 いくつかの改正点を説明しよう。まず、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大である。これは「社会保障と税の一体改革」の枠組みで行われた2012年の年金改革で着手されたものであるが……

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第1回 令和2年の年金改正を振り返り、課題を考える(下)

第1回 令和2年の年金改正を振り返り、課題を考える(上)

■あっさり成立した年金改正法
 今年の通常国会(第201回常会)は野党が会期の延長を主張するなかで、会期の延長は行われず6月17日に閉会した。150日の会期であったが、新型コロナウイルス感染症が蔓延して世の中が騒然としたためか、あるいは東京オリンピック・パラリンピックの開催を想定し政府が提出法案をあらかじめ絞り込んだせいか、国会審議は盛り上がりに欠け、存在感が薄い国会であった。
 この国会における厚生労働省からの提出法案は、労働基準法改正法案、雇用保険法等改正法案、年金改正法案、社会福祉法等改正法案の4本であり、例年よりも少ない提出法案数であった。なお、国会終盤になって……

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第2回 アビガン承認をめぐるドタバタ劇

 テレビも新聞も混乱している。新型コロナウイルスの報道である。方向性が真逆の内容が並ぶこともある。どこも社内は大揉めなんだろう。揉める事情はひとえに、日頃は医療に関心のない人が記事を書いたり、書かせたりしているからだ。素人と感覚が変わらないから、世の共感を得やすく、ボルテージがさらに上がる。
 最初の混乱は、PCR検査だったと思う。私も社内で怒鳴られたり、怒鳴り返したりして疲れ果てた。これはまたの機会にする。
■新型コロナの「特効薬」?
 次の大きな混乱は「アビガン」だった。新型コロナウイルスの特効薬として、ある日突然、浮上した。加藤勝信厚生労働大臣が2月……

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第1回 社会保障ナンバーの必要性――映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」に思うもの (下)

第1回 社会保障ナンバーの必要性――映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」に思うもの (下)

■本当に困っている人がわからない日本
 最近のイギリスにおける「即時的情報(Real Time Information)計画」をはじめ、以前からアメリカの社会保障番号などが整備されてきた状況を考えれば、国民の所得、生活の状態を国が把握できていないということが、今や先進国の中の日本の際だった特徴になりつつある。日本では、住民税非課税世帯であるかどうかの情報くらいしか国側からはわかっておらず、今回の新型コロナが襲った国民の生活を、政策として支えようにも誰が本当に困っているのか、残念ながらよくわからないのである。
 タックス・クレジットを行うためには、所得の随時捕捉は必要であるから、それを行う国では、そうしたインフラの整備が進められてきた。だからそうした国々は……

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第1回 データ分析しても地域課題が見えないのはなぜ?(下)

第1回 データ分析しても地域課題が見えないのはなぜ?(下)

■時系列分析で地域の「変調」を知る
 では、データ分析と、地域課題の解決をうまく連動させるには、どういうことに気を付けたらいいのでしょうか。
 まず、健診データともいうべき基本データ、特に高齢化率や認定率、保険料、保険給付のデータなどは、時系列でのモニタリングがポイントです。他の市町村との比較も意味はありますが、介護保険も20年を超えており、高齢化や地域資源の状況には、簡単に解消しない格差があります。差があることを問題にしてもあまり意味がないのです。むしろ、同一地域における時系列の変化を見ることで地域に何が起こっているのかを知ることが大切です。これは、健康診断でもまったく同じではないでしょうか。
 そして健診段階では地域課題が見えるわけではない、ということも……

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第1回 新型コロナをチャンスととらえて 今できる最大限のことを考えよう(下)

第1回 新型コロナをチャンスととらえて 今できる最大限のことを考えよう(下)

■病院も在宅もざわざわとして…
 オンラインミーティングでは、こんなことが打ち明けられました。
 病院では、家族の面会ができないため、緩和ケア病棟でさえ、家族が寄り添えずに亡くなった方もいました。高齢者が誤嚥性肺炎を発症しても、感染を否定できないという理由からかなかなか入院できず、入院できても絶飲絶食になります。病棟では、口腔ケアや食べるためのリハビリを積極的には行えないでいました。
 5月以降、訪問看護や訪問診療の新規依頼が増えているという現象があちこちで起こりました。入院すると家族と会えなくなるから、という理由で在宅医療によるサポートを選択しているのではないか。十分な退院支援がないままの在宅ホスピス移行も多い中、訪問看護師、ケアマネジャーが、これまで作り上げてきた連携力を最大限活用して……

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第1回 第2の人生を風光明媚な地で

第1回 第2の人生を風光明媚な地で

 「コロナコロナで都会は住みにくいので移住しよう」ということで移住したわけではありません。50歳代半ばから自分の高齢期をどこでどのように暮らすかを考え「風光明媚なところで、花や野菜に囲まれて暮らしたい」と考え、今から4年前、還暦と同時に八ヶ岳南麓(山梨県北杜市)に移住したのです。
■さて何をしよう…サービス立ち上げに挑戦
 移住はしたものの、さて何をしようか…。社会人になってから還暦までの約40年間を、東京で訪問看護・在宅ケア・認知症の方のケアに没頭して取り組んできた身。野菜作りだけをやっていくことは多分無理。そこで、東京での経験をもとに、移住先の地域で不足していて、かつ、私が取り組めるサービスの立ち上げに挑戦することにしました。
 移住先の地域の事情をゆっくりと把握して……

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第1回 在宅ケア従事者への「新型コロナ対処方針」(下)

第1回 在宅ケア従事者への「新型コロナ対処方針」(下)

■医療・介護従事者はチームの一員として行動を
 議論を重ね、アライアンスの「対処方針」では、諸外国の好事例も参考に、日本の事情を汲み、以下のように独自の方針を掲げている(要約)。
 ・在宅医は地域の医師会や行政などと連携し、保健所に相談の上、必要に応じPCR検査を行う。
 ・在宅医・訪問看護師は、関係する在宅ケアの介護職員に対して感染防護の知識・技術を積極的に指導・助言する。
 ・在宅ケアに携わるすべての医療・介護従事者は、新型コロナの最新情報を常にフォローして感染予防に生かし、在宅療養者と家族に伝える。
 ・在宅ケアに携わるすべての医療・介護従事者は……

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第1回 在宅ケア従事者への「新型コロナ対処方針」(下)

第1回 在宅ケア従事者への「新型コロナ対処方針」(上)

■在宅で感染者が出ることを想定
 日本在宅ケアアライアンスは、6月22日、「新型コロナウイルス感染症の中で在宅ケアを守るために《対処方針》(第1版)」を公表した(https://www.jhhca.jp/covid19/200622policy/)。アライアンス内の災害対策委員会「コロナ感染症対策班」が原案をまとめ、加盟団体などの意見も取り入れながら策定した。
 これに先立つ4月22日には、「在宅ケアにおける新型コロナウイルス感染対策について(行動方針)」を公表している(https://www.jhhca.jp/covid19/200422action-policy/)。「行動方針」は主に濃厚接触など感染の疑いがある場合を想定して、在宅ケアに携わるサービス提供者が守るべき基本的事項をとりまとめた。6月の「対処方針」はこれより踏み込んで、在宅で感染者が出ることも想定し、「行動方針」を実践するために取り組むべき事項を、より詳細に提示している。
■封じ込めが評価されるドイツの手法とは
 「対処方針」の策定に際して、東京都の状況を考慮した。東京では在宅療養者について、PCR検査のルールも感染防御資材の配布も感染した場合の対処も、十分に整理・検討されているとは言い難い。そこで、新型コロナウイルス感染症の封じ込めに欧州で最も成功したとされるドイツの……

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