■2040年の年金と上がる保険料
民主党の参議院議員であった故・今井澄さんは、最後の著書『理想の医療を語れますか』(2002年、東洋経済新報社刊)で「社会保障の樹」という図を示しています。この図は、年金という幹に医療・介護の枝が伸びるということを表しています。2004年の年金制度改正前の著書であり…
第12回 年金制度をめぐる私見――国民皆年金60周年③
■年金の現在と未来を考える
最後に、年金についての私見を述べてみたいと思います。
●社会保障における位置づけ
最初に社会保障における年金の位置について確認しておきましょう。2020年度の社会保障給付費は126.8兆円で、国内総生産の22.2%となっています。年金は57.7兆円で…
第19回 東京都の抗体カクテル療法フローは疑問だらけ
新型コロナウイルス感染症は新規陽性者もすっかり下火となって、このまま終息してもらいたいものである。思えば、昨年春の最初の緊急事態宣言のころと比べれば、ワクチン接種も進み、治療の選択肢も増えてきた。
現在、軽症者向けの治療として抗体カクテル療法…
第12回 年金制度をめぐる私見――国民皆年金60周年②
■年金改正を担当して
以上、私の年金行政との関わりについて述べさせていただきましたが、年金改正を担当して痛感したことを述べてみたいと思います。それは、以下の5点です。①改革には時間がかかる②先送りされがちな「財源の確保」③皆年金という高いハードル…
第12回 年金制度をめぐる私見――国民皆年金60周年①
11月30日は「年金の日」である。また、本年は1961年に国民皆年金が達成して60年周年に当たる記念すべき年である。そのためか、筆者のところにも年金の調査・研究・啓発を行う団体から講演の依頼があり、年金について私見を述べることとなった。以下は…
第13回 介護職の低賃金を招く出来高制と「年収の壁」
大手介護事業所の経営者に訪問介護の賃金が安い理由を聞いたことがある。その経営者が挙げた1つが出来高制の介護報酬で、もう1つが税制の扶養基準だった。「フルタイムで雇いたいし…
第18回 90代への医療とは生活者への医療
国立市の介護保険関連の会議に参加しているので、介護保険に関する資料を閲覧する機会が多い。先日、今年8月の数値を見ていて仰天した。
見ていたのは年齢別の要介護(要支援)認定者数である。その「90歳以上」の数が…
第8回 勘違いされているフリーアクセスとかかりつけ医
日本医療の特徴として、しばしば、自由開業医制、自由標榜制、そしてフリーアクセスが挙げられる。このうちフリーアクセスについて、もし、その意味を、保険証一枚で、「いつでも、好きなところで」と解釈するのであれば…
第9回 パルスオキシメーター狂騒曲からの感染者激減
9月30日に緊急事態宣言が解除されました。8月末のデータと比べて、あまりにも様々な数字が急激に減少し、これは何が起こったのか、その要因はどこにあるのか、頭の中は逆のパニックです。しっかり検証する…
第17回 コロナ禍でも社会の主役は市民だ
9月、「健康生きがい学会」の大会がオンラインで開催され、国立市の保健師と市民が「国立市 フレイル予防で健康づくり 生きがいづくり」のテーマで発表した。
発表の内容は、17年度から実施している「フレイルチェック講座」の活動が中心であった。これは国立市の…
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