■報酬改定で定期巡回も引き下げ
介護保険制度は、住み慣れた地域とか自宅で暮らすことを支援する、と謳っています。でもそう言っておきながら、どんな状態であっても――要介護5や重度の認知症であっても――、自宅で過ごし、自宅で一生を終えることをサポートする、という気構えがないように見えます。
だから、訪問介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護(以下、定期巡回)の基礎報酬を一律下げるという安易なことができてしまうのでしょう。
こうした基礎報酬引き下げの根拠は、事業所の収支差率が割と高かったことです。2023(令和5)年度介護事業経営実態調査によれば、定期巡回の収支差率は…