〈医療と介護2040 管理者02〉の記事一覧
僕たちは流行の最前線で新型コロナと戦った(下)

僕たちは流行の最前線で新型コロナと戦った(下)

インタビュー 英裕雄
新宿ヒロクリニック院長
●保健所や地域の医療機関、事業所などとの連携は。
 これまでは、ほとんど保健所と関わっていなかった。インフルエンザが流行したときでも、保健所に連絡はするけど、協働して医療を提供することはまずなかった。
■保健行政との連携は必須
 ただ新型コロナについては当初からわからないことが多く、対応に戸惑うことだらけだったので、僕は2月末ごろからしょっちゅう保健所に電話して質問するようになった。患者のことだけではなく、スタッフが発熱したらどうしたらいいのかとか、症状がなくなったときの出勤の基準はあるのかとか、新型コロナウイルス感染症は指定感染症(2類相当)なので……

僕たちは流行の最前線で新型コロナと戦った(上)

僕たちは流行の最前線で新型コロナと戦った(上)

インタビュー 英裕雄
新宿ヒロクリニック院長
●新型コロナウイルス感染症に対して、どう動きましたか。
 新宿ヒロクリニックは東京・新宿の大久保にあって、地域の人たちに外来と在宅で医療を提供している。ご存じのとおり、このあたりはアジアを中心に外国人がたくさん住んでいて、コロナ以前は外国からの旅行者も多かった。クリニックの外来には、そういう外国人のほか、近隣の日本人高齢者も来院する。
■外来は完全予約制から一時的に休止へ
 新型コロナウイルス感染症が中国で発生したときから心配で、神経をとがらせていた。2月末ごろから本格的に対応を始め、3月になると感染防御の準備に追われた。ただ、そのころは知識も物資も十分ではなく、どう対応すべきか、日々、会議したり情報収集したり……

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現場の声が行政を動かし訪問介護の感染対策が前進した(下)

現場の声が行政を動かし訪問介護の感染対策が前進した(下)

中澤まゆみ
ノンフィクションライター
■密になる訪問介護の感染対策が手薄だった
 現場の声を行政に、と考えたのは、私自身が介護の現場に実際にかかわっていたことも大きかった。講演の仕事が次々とキャンセルされ、時間ができたため、この際、コロナ下の介護の現場を見てみようと、4月から契約で訪問介護を開始した。週2回の“なんちゃってヘルパー”だが、そこで最初に気がついたのが、訪問介護での新型コロナへの感染対策への手薄さだった。
 採用された大手事業所から渡されたのは、研修テキストをコピーした実に簡素な「感染対策の基本」A4裏表1枚と、ノロウイルス対策用キット(マスク、使い捨て手袋、ビニールエプロン、説明書1枚)のみ。仲間の介護事業者に聞くと……

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在宅の高齢患者が陽性となったら入院しなければならないのか(下)

在宅の高齢患者が陽性となったら入院しなければならないのか(下)

新田國夫
新田クリニック院長、日本在宅ケアアライアンス議長
■認知症の人をホテルに隔離できるか
 超高齢者が入院を余儀なくされる。それも、治療というよりは感染隔離のための入院である。感染隔離のための入院は、超高齢者にとってどうなのか。そこがまだ見えないので、市民も不安なのではないかと思う。
 2類相当の指定感染症という規定は1年後に見直されるという説もある。だが、そんなに簡単に変わるだろうか。我々にできることは、現状のそういう枠組みのなかで、とにかく在宅療養の高齢者を感染から守ること。幸いというべきか、新田クリニックのある国立市では……

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社福合併などにガイドライン 社保審部会が承認

社福合併などにガイドライン 社保審部会が承認

 社会保障審議会(厚労相の諮問機関)福祉部会は7月15日、第25回会合を開催し、事務局が提示した社会福祉法人の合併と事業譲渡・譲り受けに関するガイドラインを承認した。
 昨年6月に閣議決定された「成長戦略フォローアップ」で、社会福祉法人の事業の大規模化や協働化に円滑に取り組めるよう、ガイドラインなどを策定することを求めていた。
 ガイドラインでは、合併と事業譲渡・譲り受けの手続きと留意点について……

第1回 社会保障ナンバーの必要性――映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」に思うもの (下)

第1回 社会保障ナンバーの必要性――映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」に思うもの (下)

■本当に困っている人がわからない日本
 最近のイギリスにおける「即時的情報(Real Time Information)計画」をはじめ、以前からアメリカの社会保障番号などが整備されてきた状況を考えれば、国民の所得、生活の状態を国が把握できていないということが、今や先進国の中の日本の際だった特徴になりつつある。日本では、住民税非課税世帯であるかどうかの情報くらいしか国側からはわかっておらず、今回の新型コロナが襲った国民の生活を、政策として支えようにも誰が本当に困っているのか、残念ながらよくわからないのである。
 タックス・クレジットを行うためには、所得の随時捕捉は必要であるから、それを行う国では、そうしたインフラの整備が進められてきた。だからそうした国々は……

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認知症の人の預金 金融庁が業界に指針策定要請

 認知症の人の預金を家族や社会福祉協議会の職員などの代理人が引き出しやすくするため、金融庁は金融業界に対し指針の策定を求める。7月15日に開催された金融審議会に報告書案を示した。
 認知判断能力の低下などにより、高齢者の家族や公的機関が本人の代理人として金融機関の窓口に預金の引き出しに行く場合……

第1回 データ分析しても地域課題が見えないのはなぜ?(下)

第1回 データ分析しても地域課題が見えないのはなぜ?(下)

■時系列分析で地域の「変調」を知る
 では、データ分析と、地域課題の解決をうまく連動させるには、どういうことに気を付けたらいいのでしょうか。
 まず、健診データともいうべき基本データ、特に高齢化率や認定率、保険料、保険給付のデータなどは、時系列でのモニタリングがポイントです。他の市町村との比較も意味はありますが、介護保険も20年を超えており、高齢化や地域資源の状況には、簡単に解消しない格差があります。差があることを問題にしてもあまり意味がないのです。むしろ、同一地域における時系列の変化を見ることで地域に何が起こっているのかを知ることが大切です。これは、健康診断でもまったく同じではないでしょうか。
 そして健診段階では地域課題が見えるわけではない、ということも……

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第1回 新型コロナをチャンスととらえて 今できる最大限のことを考えよう(下)

第1回 新型コロナをチャンスととらえて 今できる最大限のことを考えよう(下)

■病院も在宅もざわざわとして…
 オンラインミーティングでは、こんなことが打ち明けられました。
 病院では、家族の面会ができないため、緩和ケア病棟でさえ、家族が寄り添えずに亡くなった方もいました。高齢者が誤嚥性肺炎を発症しても、感染を否定できないという理由からかなかなか入院できず、入院できても絶飲絶食になります。病棟では、口腔ケアや食べるためのリハビリを積極的には行えないでいました。
 5月以降、訪問看護や訪問診療の新規依頼が増えているという現象があちこちで起こりました。入院すると家族と会えなくなるから、という理由で在宅医療によるサポートを選択しているのではないか。十分な退院支援がないままの在宅ホスピス移行も多い中、訪問看護師、ケアマネジャーが、これまで作り上げてきた連携力を最大限活用して……

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