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第66回 道徳なき在宅医療🆕

第66回 道徳なき在宅医療🆕

■ホスピス型ホームの問題
 日本在宅ケアアライアンスの会報誌の巻頭言で、二宮尊徳の名言として知られる「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」が紹介された(筆者は板井孝壱郎氏)。これに倣えば、「道徳なき在宅医療は犯罪」と言える。
 
 ホスピス型有料老人ホームとかホスピスホームなどと呼ばれる“施設”の問題が取り沙汰されている。難病や末期がんの人を入居させて看取りまでケアすると謳うが、訪問看護の報酬が不正請求されているという。明らかにこれは「道徳なき在宅医療」で、「犯罪」的と言わざるを得ない。
 
 こうした犯罪的行為がまかり通る背景には、退院後に帰る場所がないことがある。患者本人が「もとの家には帰りたくない」と言っているからではない。病院と家族が「この状態では家に帰れない」と本人抜きで決めているからだ。
 
 退院後に家に帰れないなら、どこに帰るのか。ホスピス型有料老人ホームはそういったニーズの受け皿になった。
 
■多摩地区の障害者運動
 1980~90年代、国立市や八王子市など東京の多摩地区で障害者の自立生活運動が展開された。障害者が自ら運営する自立生活センターがつくられ、作業所は規模を拡大し、「施設から地域へ」が進められた。車いすの人は、JR中央線の駅にエレベーターを設置するよう求めて交渉した。
 
 このとき障害者は、施設から出て元の家に帰るのではなく、自分の家に帰ることを望んだ。元の家とは、家族の家である。家族と同居して世話され庇護下に置かれるのではなく、ケアを受けながら自立して暮らしたい、と望んだ。
 
 ケアを受けながら自立するとは、自立するためにケアを受けることでもある。自立とは、障害のある人が1時間かけて自分の力だけで着替えることではない。介助者の力を借りて10分で着替えて…

“ホスピスホーム”分析レポート発行 タムラP

“ホスピスホーム”分析レポート発行 タムラP

 高齢者住宅のデータベースとコンサルティングを提供するタムラプランニングアンドオペレーティング(田村明孝社長)は、ホスピスホーム(同社は「緩和ケアホーム」と呼称)の実情に関する分析レポートを今月発行した。
 
 近年、入院期間短縮が促進され、医療機関以外の場所への訪問看護サービス需要が増大している。訪問看護の報酬は介護保険か医療保険から給付され(下図)、要介護・要支援認定者は介護保険が優先する。
 
 要介護・要支援認定者が医療保険で訪問看護サービスを受けるには、特定の病気・状態(末期がんや人工呼吸器使用など)に該当し主治医の指示が必要だ。

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