中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は7月26日、診療報酬改定に向けた感染症対策などについて議論した。 医療法と感染症法の改正により、医療計画の記載事項に新興感染症への対応に関する事項が追加され、平時に都道府県と医療機関との間で機能・役割に応じた協定を締結することになった。...
(下)新型コロナを超えて、次のステージへ
■リモートが普及して思わぬメリットも
2018同時改定で、いい方向に歯車が動き出したと思っていました。しかし2020年春…。新型コロナが流行すると感染症法の「2類相当」となり、最初のころはすべて入院隔離だったから、病院は完全な鎖国状態になってしまいました。
【ケース3】ある病院では、プライバシー保護のため、看護師は患者を名前でなく番号で呼ぶことになっていた。2020年、コロナが流行して面会禁止に。あるナースは夜勤のとき、高齢の患者に対して「私の声がこの人の、人生の最後の声になるかもしれない」と思った。そう思ったら番号でなんか呼べなくなって、本人の耳元で、ほんとは近づいてはいけないのだろうけど、「Cさん」と呼びかけたという。「辛くないですか、そばにいるから、大丈夫だからね」と。長い時間ではないけど、そう声をかけて、部屋を後にした。
この3年間、とりわけ病院ではコロナの感染対策が至上命題になって、いろいろなことが制限されました。病棟ナースたちは大事なことは何か、気づいたのではと思います。入院という環境がもたらす弊害とか、人として生きることを奪ってしまうとか。
2021年になると、リハビリスタッフがリハの様子を撮影し、その動画を在宅スタッフに送って見てもらう、といったリモートでの連携が整ってきました。カンファレンスも…
コロナ薬「ゾコーバ」保険適用を承認 中医協
中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は3月8日、塩野義製薬の新型コロナ経口薬「ゾコーバ」への公的医療保険の適用を承認した。 対象疾患と投与対象患者の類似性から、既存の新型コロナ経口薬の「ラブゲリオ」と抗インフルエンザ経口薬の「ゾフルーザ」を比較薬とし、2剤の平均値に有用性加算を適用した結果、1錠約7407円となった。...
診療報酬のコロナ特例取り扱いを議論 中医協
中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は3月1日、新型コロナ感染症の5類への移行に伴う診療報酬上の特例の取り扱いについて議論した。 診療側委員が医療現場での感染対策や現場負担などを理由に特例を維持すべきと主張したのに対し、支払側委員からは5類への移行を機に段階的に平時に戻し、最終的に特例の廃止を目指すべきとの意見が述べられた。...
第15回 薬剤師の課題は2023年も多い
2023年が始まりました。今年は医療・介護業界に大きな変革が起こることが予想され、実際に始まってきています。
コロナ感染者はこのところ減少傾向ですが、今後はどうなるでしょうか。5月に5類に引き下げられますが、その扱いはどうなるでしょう。問題は山積みです。国の朝令暮改は県・市町村まで影響していますね。
検査の無料化事業も、3カ月おきくらいに対象者確認フローの変更や日程延長があり、そのたびに社員への周知と利用者様への案内など対応してきました。その通知も変更前日にくるというバタバタしたものです。
このような対策も、5月には大方なくなってしまうように感じています。取り扱いはほぼインフルエンザと同様になるでしょう。
薬局運営では、メーカーの不祥事に端を発した後発品不足問題、漢方薬の原料不足からの供給不安定、さらには国が進めるデジタル化の波、DX化による機械設備の負担、そしてインボイスに対応するためのレジ等の入れ替えなど、経費負担も含め問題は山積みです。
コロナ感染症は発生から丸3年がたち、久々に行動制限のない正月でした。久しぶりの里帰りができて、ふだんの生活に戻った感はありますが、正月明けのコロナ感染者の数はこれまでより多くなっています。
1月は死亡者の人数も最多となり、まだコロナが収まったとは言えません。私の薬局では通常、31日から3日までの4日間お休みをいただきます。この年末年始、31日は当番医で開局し、休みの間に緊急在宅訪問が5件ありました。全く業務がなかったのは1月1日だけです。
在宅訪問にかかわる限り、当然のことと思っています。そのような中で正月明けまではコロナ感染をあまり意識しなくてもよかったように感じています。
年末年始を過ぎ、コロナ関連の処方が徐々に増えてきました。人の移動と共にやはり増えてきたかと思っていましたが、私どもの薬局でも、1月10日過ぎから濃厚接触者2名、陽性者が3名と相次ぎました。
薬局運営の人繰りがたたず、休み返上や長時間勤務をしていただかねばならない状況になってしまいました。
感染した者に聞き取りますと、「どこで感染したかわからない…
第17回 コロナ民間保険をめぐるドタバタ
新型コロナウイルスをめぐる政策に混迷の色が濃い。医療者や保健所が重症患者に神経をすり減らしているのに対して、一般市民は相当にコロナ慣れしてきている。
■検査待ち
あれ?と思ったのは、テレビの映像だった。第7波に入り…
コロナパンデミックは「コロナ政策禍」だ
長谷川敏彦さんに三たび聞く・下(聞き手・編集部)
■こうした議論を踏まえ「コロナは終わった」と宣言できるか
――昨年夏の「第5波」の際にも、対コロナの政策転換を訴えておられました(下図)。あれからほぼ1年ですが、政策転換は何も行われず、相変わらず“2類相当”のまま、来る日も来る日も「今日の感染者は何人」と報道される状況が続いています。
この間、何がイッシュー(論点)なのかが明確にされないまま、だらだらと同じ政策が続けられている。専門家の発言も、スーパーコンピューターを使った解析も…
第7波は新型コロナが“普通のかぜ”になっていく過渡期
長谷川敏彦さんに三たび聞く・上(聞き手・編集部)
■極めて順調な経過
――新型コロナウイルス感染症は、2021年夏の「第5波」では病床が不足し、自宅療養中に亡くなるケースがセンセーショナルに報じられました。第5波は秋になって収まり、陽性者は年末にかけて減少したものの22年1月後半からまた急増して「第6波」、そして現在の「第7波」。もう永遠に「波」が繰り返されるような気がしてきます。
「波」はだいたい半年ごとに現れている。これはパンデミックを引き起こす呼吸器感染症のパターン通りだ。第6波以降では…
第16回 マスクも同調圧力で外すのか
降ってわいたようなマスク騒動だった。いや、そういう表現は不適切かもしれない。多くの人はもう、マスクに嫌気がさしていたのだろう。
新型コロナウイルス対策のマスク着用が海外では緩和され、ノーマスクで歩く人がテレビで大写しになる。それなのに、日本では…
第15回 コロナ禍の「ときどき入院、ほぼ在宅」
新型コロナウイルス報道で、高齢者施設の感染がしばしば取り上げられる。だが、そもそも「高齢者施設」が日頃、どんな課題を抱えていたのか、ほとんど知られていなかったんだなぁ、と思い至った。
■施設での医療と介護
社内で話していても、病院と施設の区別がつかない人が少なくない。医療と介護の…
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