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第19回 介護人材不足の実相から対策を考える

第19回 介護人材不足の実相から対策を考える

■実は増え続けてきた
 人材不足は、介護業界における慢性疾患ともいうべき癒えることのない苦しみです。今回は、これに対処するために大きな変革が急務であり、その変革とは何か、お伝えしたいと思います。
 
 介護人材不足については、さまざまな事実誤認があります。「この10年、介護人材は減少を続けている」あるいは「介護人材はなんとか増えているものの、要介護者の増加には全く追いついていない」と感じている方は多いのではないでしょうか。
 
 最近では訪問介護事業所の倒産件数が過去最高を記録したという報道もあり、「訪問介護サービスの供給量が減少している」といった印象を持つ方も少なくないと思います。
 
 しかし、これらの認識はいずれも事実とは少し異なります。実際には、介護人材の数は2022年まで増加し続けており、その増加率は要介護者の増加率を上回るペースを維持してきました。
 
 訪問介護サービスの給付額も、2012年からの10年間で約1.5倍に増加しています。介護人材の減少が始まったのは2023年度からであり、それまでは増加の一途をたどっていました。
 
 日本の生産年齢人口は1995年をピークに減少し、2023年までに約1300万人減少しました。一方、労働力人口はこの間、女性や高齢者の就労増加によって260万人も増えています。
 
 2000年に介護保険がスタートした時点で約55万人だった介護人材は、2023年には215万人に達し、約4倍に増加しています。
 
 その増加に寄与しているのが女性と高齢者で、両者が介護を支えてきたことは見逃せません。少なくとも2022年までは、介護業界は人材の面では他業界に比べれば比較的恵まれた環境だったといえるのです。
 
 ただし、近年は女性と高齢者の就労人口の増加が頭打ちになってきました。これまで大きな支えとなってきた層の就労の伸びが止まり、介護業界はこれから本格的な人材難に直面します。2023年における初めての介護人材減少は…

第23回 外国人介護職への訪問解禁を契機に

第23回 外国人介護職への訪問解禁を契機に

 厚生労働省が、「特定技能」や「技能実習」などで働く外国人介護職に、訪問介護に従事してもらう方針だという。実施は来年度の見通しだ。
 
 日本人の介護職は「初任者研修」を終えていれば、訪問介護に携わることができる。だが、外国人介護職は今は、さらに上級の資格である「介護福祉士」を取ることが、訪問を行う事実上の要件になっている。これを変更し、日本人と同じスキルがあれば訪問介護に従事できるようにするのだという。
 
■介護の本質は生活の継続を支援すること
 従事する要件に差を設けていた背景に、日本語によるコミュニケーションが不十分だと訪問介護はうまくいかない、という配慮があったことは理解できる。それはそうだろう。訪問介護では、利用者のニーズを汲み、個別のサービスを提供することが必要になるからだ。
 
 だが、訪問介護のノウハウを伝えずに、いったい今までどんな介護を伝授してきたのだろう、とも思う。介護の本質は、要介護の人の生活の継続を支援することのはずだ。
 
 自宅で利用者の生活を見て、どう暮らしたいかを聞き、日々の目的を共有し、どんなサービスで暮らしを支えるかを考える。その訓練なくしては、介護を本質的に理解できないのではないか。
 
 技能実習は特に、外国人に介護の技術を学んで持ち帰ってもらうことが目的なのに、介護の基本である「生活の継続」を教えずに…

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