インタビュー 前田正子(甲南大学教授)
■待機児童が減少した背景
――待機児童数は2020年4月1日時点で1万2439人でした。前年より約4300人減り、1994年に公表するようになって以来、最少となりました。前政権の積極的な政策が奏功したといわれています。
 保育園などの保育施設が大幅に増えて、今では1-2歳児の半分近くが保育施設に行っていることになります。それだけ定員が増えました。ただ、2019年10月から満3歳以上の幼児教育・保育が無償化されたことで幼稚園の3歳児保育への申し込みが急増し、さらに「3歳の壁」が高くなっています。小規模保育園を卒園した子どもが次に行く保育施設も満杯で、幼稚園と塾やベビーシッターとの併用で育てる人もいます。
 預かり保育も無償化され、1号認定で幼稚園に預けている人も使いやすくなりました。これまで、預かり保育の料金とパート収入を天秤にかけて……