■もともと多職種連携が進んでいた
村崎保健師はTITについて「新型コロナというテーマで、職種も所属も関係なくいろんな立場から参加して議論しあえる場が、短期間で作れたのはすごい。こういうものが1つできると、次の課題についても、同じようにやればいいという感覚が皆に身についていくと思う」と評価する。
TITには多様な職種が参加しているが、その背景には、この地域でもともと多職種連携が進んでいたことがある、と土屋医師は指摘する。豊島区には基幹病院が1つしかなく、小規模な病院と開業医が多い。また、規模の大きな在宅専門の診療所が少ないため、必然的に開業医が在宅医療を担ってきた。その周囲の看護・介護職も自然に加わり……
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豊島区全体でコロナに対応 としま在宅感染対策チームが発足(上)
としま在宅感染対策チーム
新型コロナウイルス感染症対策には、地域全体での取り組みが重要だ。地域包括ケア・多職種連携の先進地域として知られる東京・豊島区では、多職種による「としま在宅感染対策チーム(TIT)」が発足し、活動を開始した。中心メンバーである土屋淳郎医師(土屋医院院長)と村崎佳代子保健師(本町訪問看護ステーション)に聞いた。
■30人のコアメンバーで立ち上げ
TITを立ち上げたきっかけは、ゆみのハートクリニックを開業している弓野大医師が、自身のSNS上のグループスレッド(コミュニティ)に、「新型コロナウイルス感染症で地域医療介護職が困っていること」というアンケートの結果を掲載したことだ。それに対し岐阜県美濃加茂市の介護福祉士が、自らが管理者を務める訪問看護ステーションで実施している対策を紹介し、感銘を受けた村崎保健師がコミュニティの参加者に「豊島区でも対策を一緒に考えていこう」と提案した。
土屋医師にも相談し、弓野医師を引き継いだ田中宏和医師を含め3人が音頭を取る形で多職種に呼びかけ、6月末、30人ほどのコアメンバーによりTITが発足した。
新型コロナ対策は、これまで個々の医療機関や事業所などに委ねられていた。このため、例えば在宅医療では……
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