買い物が介護予防になるショッピングリハビリ(上)

2020年 11月 11日

光プロジェクト・ショッピングリハビリカンパニー「ひかりサロン」
 ショッピングセンターの一角、「ひかりサロン」に高齢者が集まってくる。いすに腰かけ、セラピスト(OTまたはPT)の声に合わせて体操が始まる。腕を前に伸ばして両手を握ったり開いたり、ノルディックポールを両手に持って上体を動かしたり、軽く汗をかく。体操が終われば、いよいよこのプログラムの本番、買い物が始まる。買い物に欠かせないのは、独自に開発された「楽々カート」。参加者は楽々カートを押しながら食料品売り場を歩き、商品を品定めし、かごに入れていく。膝に痛みがあって長距離歩行が困難な女性が、買い物を楽しんでいる。
 これは、島根県雲南市に誕生した「ショッピングリハビリ」の一部始終だ。その名の通り、買い物しながらリハビリするサービスを提供する事業で……
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疾病の社会的要因重視には大賛成。 しかし、日本での「社会的処方」制度化は 困難で「多職種連携」推進が現実的だ(下)

二木 立(日本福祉大学名誉教授)
■日本の地域包括ケアと地域共生社会
 日本では、疾病の社会的要因にストレートに取り組む動きは、まだ、ごく一部の医師・医療機関に限られています。しかし、私は、2000年前後から全国で草の根的に行われるようになり、厚生労働省も積極的に後押している「地域包括ケア(システム)」の先進事例で、患者・障害者が抱える社会的問題の解決に積極的に取り組んでいることに注目すべきと思います。その鍵が多職種連携であり、ソーシャルワーカーが「医療と社会(福祉)」をつなぐ上で大きな役割を果たしています。
 地域包括ケア(システム)の構成要素は法的には……

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疾病の社会的要因重視には大賛成。 しかし、日本での「社会的処方」制度化は 困難で「多職種連携」推進が現実的だ(上)

二木 立(日本福祉大学名誉教授)
■はじめに-疾病の社会的要因の重視には大賛成
 私は、「社会的処方」導入・制度化論者が強調している疾病・健康の社会的要因(以下、疾病の社会的要因)の重視には大賛成です。なぜなら、私は元リハビリテーション専門医で、「障害者の全人間的復権」(上田敏氏)を目標とするリハビリテーション医学では、伝統的に、障害の医学的側面だけでなく社会的側面も重視してきたからです。
 2001年のWHO(世界保健機関)総会で採択された「ICF(国際生活機能分類)」の大きな特徴は、生活機能の評価に「環境因子」という観点を加えたことです。環境因子は「人々が生活し、人生を送っている物理的な環境や社会的環境、人々の社会的な態度による環境を構成する因子」と定義され……

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薬では治せない孤立という現代病

西智弘 川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター
■「私なんていつ死んでもいい」
 58歳のタカダさんは、胃がんの手術を受けた後、腫瘍内科外来に紹介されてきた。手術後の再発を予防すべく、抗がん剤による術後補助療法を受けるためだ。
 医師が抗がん剤治療の内容について一通り説明したあと、タカダさんに
「何か、説明の中でわからなかった点はありますか?」
と尋ねるが、タカダさんは浮かない顔で、
「いえ、別に…」
と答えるだけだった。
「抗がん剤治療について不安がありますか? それとも本当は治療をあまり受けたくないとか…」
あまりにもタカダさんが心ここにあらずという感じだったため……

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