〈コラム〉の記事一覧
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第22回 2024年の社会保障を考える(中)🆕

第22回 2024年の社会保障を考える(中)🆕

Ⅲ 安倍長期政権下の社会保障
 第2次安倍内閣は2012年12月26日に成立し、第4次安倍内閣の第2次改造内閣まで長期政権を維持し、20年9月16日に終焉を迎えた。
 
 安倍政権に先立つ民主党の野田政権の下、「社会保障と税の一体改革」について自公民の3党合意が成立していた(2012年6月)ので、安倍内閣もその継承が義務付けられていた。
 
 3党合意に基づき、2014年4月に消費税率の5%から8%への引き上げが、さらに15年10月には8%から10%へ引き上げることが、2012年8月に成立した消費税法改正法で決められていた。
 
 したがって、消費税率引き上げを約束通りこのスケジュールで実施することが、安倍政権成立当初の課題であった。安倍首相は躊躇しつつも…

第20回 2024年度診療報酬改定、調剤のポイントは3つ🆕

第20回 2024年度診療報酬改定、調剤のポイントは3つ🆕

 2024年度診療報酬改定は、“短冊”(個別改定項目)が発表され、方向性が見えてきました。今回の改定は単に点数が変わっただけでなく、これからの日本の医療の行く末を示す重要な改定であると認識しています。
 
 それは「2040年を展望し、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現」に示されたものが、本気で始まってきたことです。
 
 高齢者人口はやがて伸びなくなり、単身世帯・夫婦のみ世帯が急増することを見据えています。現役世代が急減することも明らかです。その対策は「より少ない人手でも回る医療・福祉の現場を実現」することで、その方向性が今回の改定のキーワードではないでしょうか。
 
 DX化はその切り札であると位置づけられ、そこを見据えて診療・介護報酬の改定も行われているように感じます。診療報酬は、今回6月1日実施と、2カ月後ろ倒しになります。
 
■在宅医療の需要増に対応
 調剤では、在宅医療・服薬フォローアップ・医療DXの3点が大きなテーマです。
 
 トリプル改定においては「在宅医療」が重視されています。2040年に向けて在宅医療の需要が増大していくとみられており…

第21回 医療も介護もプラス改定だけど、ホントは🆕

第21回 医療も介護もプラス改定だけど、ホントは🆕

 医療も介護も新年度からの報酬改定がまとまった。どちらも、かなりぎりぎりの内容である。表向きは「プラス改定」だが、人件費のベースアップを除けば、医療も介護もほぼゼロ改定だ。深刻さが世の中に共有されていないと思う。いくらか話題になったのは介護報酬の訪問介護だろうか。
 
■訪問介護引き下げの背景
 介護報酬は、介護職の処遇改善に0.98%、介護職以外の処遇改善に0.61%を充てて1.59%のプラス改定である。プラス改定の全てを賃上げに充てた格好だ。事業所の収入に当たる報酬はゼロ改定だ。
 
 そうはいっても、報酬改定は政策誘導のために行うものだから、上げる部分もあれば下げる部分もある。引き上げたのは、特別養護老人ホームなどの介護保険施設の基本報酬だ。事前の経営実態調査で赤字であることが分かっていた。
 
 ゼロ改定なのに、どこかを引き上げるには、どこかを下げて原資を調達するしかない。ターゲットになったのは…

第20回 2024年度診療報酬改定、調剤のポイントは3つ🆕

第19回 大災害と大事故を自分に引き寄せてBCPを考える🆕

 能登半島地震により被災された皆様、ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。2024年がスタートしてあっという間に3カ月になります。1月1日に発災した能登半島地震と、その翌日に起こった日本航空と海上保安庁機の衝突炎上事故は、辰年の大きな記録として残っていくことでしょう。
 
■薬剤師会はモバイル薬局を派遣
 能登の様子をテレビで拝見し、東日本大震災の際にお手伝いに行って目にした光景が目に浮かびました。今回も多くの薬剤師仲間が支援に行っています。介護関係者もボランティアで参加しています。
 
 大きな災害が起きるたびに、支援の様子も進化しているようです。発災直後から7日目まで・2~3週目・それ以降と、その時々に必要とされるものは何か、支援者はどう動くべきか、積み重なった経験が…

第43回 多職種の災害支援チーム、LSATをつくりたい🆕

第43回 多職種の災害支援チーム、LSATをつくりたい🆕

■地域を守りながら復興を
 能登半島地震からもう1カ月半、高齢化が進む地域の人びとを思う。在宅ケアアライアンスの参加団体も、それぞれが動いている。アライアンスとしても災害対策委員会が発災翌日から動き、連絡網をつくり、活動している。
 
 能登半島という地形の特性が被害を大きくし、東日本大震災や熊本地震とは異なる被害の様相である。まだ水道が復旧しない地域もある。ようやく仮設住宅ができ始めたが、もとの暮らしを取り戻すには時間がかかるだろう。ご苦労はいかばかりか。
 
 2011年の東日本大震災では、仮設住宅に入居する際、もともと暮らしていた地域が考慮されなかったので、隣人もお向かいも知らない人ばかり、という状況になった。地域はバラバラになってしまった。2016年の熊本地震では…

第22回 2024年の社会保障を考える(中)🆕

第22回 2024年の社会保障を考える(上)

 2024年は元日から能登半島地震に見舞われ、2日には海上保安庁の救援航空機と日本航空機が羽田空港滑走路上で衝突する事件が起こるなど、波乱の幕開けとなった。
 
 昨年末には自民党の派閥をめぐる政治資金問題が岸田政権を直撃し、2024年の政界の見通しは極めて不透明になっている。そのような中で、年初に当たり、今年の社会保障について展望したい。まずは、その前提として現在の我々の位置について確認することから始めよう。
 
Ⅰ「福祉元年」から半世紀
 2023年は「福祉元年」といわれた1973年から半世紀の記念すべき年であった。わが国の社会保障の歴史を語る上で、1961年の国民皆保険・皆年金の達成とともに…

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第16回 認知症だけじゃない、初期集中支援の重要性

第16回 認知症だけじゃない、初期集中支援の重要性

 今回は、「初期集中支援」について考えてみたいと思います。初期集中支援といえば、「認知症初期集中支援チーム」がよく知られています。今回は、「初期集中支援」という考え方が、地域包括ケアシステムの中では、とても大切な考え方であることを、他の事業にも触れながらお話ししたいと思います。
 
■認知症初期集中支援チームの「初期」は「症状の初期」ではない
 そもそも、「初期集中支援」における「初期」とは何でしょう? 認知症ケアでは早期発見・早期受診が推奨されることもあり、軽度のうちに認知症を認識し、早めに受診して集中的な支援をイメージすると思います。
 
 もちろん認知症のケアでは、できるだけ軽度の段階での関わりが大切なのはいうまでもありません。とはいえ症状が進行した状況では…

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第43回 多職種の災害支援チーム、LSATをつくりたい🆕

第42回 愚直かかりつけ医保存会も必要だ

■かかりつけ医機能報告制度が始まる
 前回の「愚直在宅医療保存会」に加えて「愚直かかりつけ医保存会」も必要なんだろうなと思うようになっている。
 
 かかりつけ医機能についての議論は、徐々に形になりつつある。まず、2024(令和6)年4月に「医療機能情報提供制度」が刷新される。これにより、
 
〈かかりつけ医機能(「身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能」と定義)を十分に理解した上で、自ら適切に医療機関を選択できるよう、医療機能情報提供制度による国民・患者への情報提供の充実・強化を図る。〉
 
こととなる。
 
 2025年4月には「かかりつけ医機能報告」が施行され…

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第12回 市民が主役の生活支援「テンミリオンハウス」

第12回 市民が主役の生活支援「テンミリオンハウス」

 武蔵野市の高齢者施策は、介護保険財源によらず一般財源に基づく独自事業も多彩だ。総合的な生活支援の「テンミリオンハウス」や移動・移送支援の「レモンキャブ」がその代表である。今回はテンミリオンハウスについて聞いた。
 
■認定で「非該当」となる人への新たなサービス
 テンミリオンハウスが誕生したきっかけは、介護保険制度導入に際して実施した、要介護認定モデル事業(連載第4~6回を参照)です。
 
 要介護認定のモデル事業は、当時のデイサービスやホームヘルプサービスを利用している方を対象に実施したわけです。当時、これらは措置制度に基づく行政サービスで、武蔵野市では予防的な方…

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第43回 多職種の災害支援チーム、LSATをつくりたい🆕

第41回 愚直在宅医療保存会を結成した

■在宅医療に第3世代が登場
 「愚直在宅医療保存会」を結成した。会員はまだ2、3人だし、団体としての体裁が整っているわけでもない、冗談半分の集まりだ。半分は冗談でも、残り半分はいたって真剣である。どうしてこんな保存会を結成したか…。
 
 在宅医療は長らく往診として提供されてきた。往診とは患者の求めに応じて随時、医師が患家を訪問するもので、もちろん現在もある。在宅医療の制度が生まれる以前の1950~80年代にかけて家庭医療を提唱し実践した先駆者が、レジェンドと称される佐藤智医師らである。彼らは、いうなれば“プレ在宅医療世代”であろう。
 
 1992年、「寝たきり老人在宅総合診療料」が創設され、現在の訪問診療の原型ができた。このころから在宅医療を提供してきた我々を「在宅医療第1世代」とすれば、2006年の「在宅時医学総合管理料(在医総管)」や在宅療養支援診療所の創設後に在宅医療に参入した医師たちが第2世代だ。彼らの多くは外来をやらず、訪問診療専業である。
 
 そして今、在宅医療の世界には第3世代の医師たちが登場し、活躍している。第3世代に特徴的なのは…

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