〈【外岡潤】介護弁護士の眼――医療・介護の現場で起きていること〉の記事一覧
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第3回 コロナ禍に恐れていた事態がついに起こった

第3回 コロナ禍に恐れていた事態がついに起こった

■ヘルパーから感染して死亡と訴えられる
 首相が替わり、暑い夏も去り、心機一転といった雰囲気の今日この頃、衝撃のニュースが飛び込んできた。恐れていた、「コロナ感染を理由に事業所が提訴された」という事態である。以下、10月2日午前時点の報道に基づいて述べる。
 “三次の介護業者を提訴 「ヘルパーから感染」、82歳死亡”
2020/10/2付(中国新聞デジタル記事より)
 新型コロナウイルス感染症のため82歳で亡くなった広島県三次(みよし)市の女性の遺族の男性(広島市在住)が、三次市の訪問介護事業所の運営会社に計4400万円の損害賠償を求めて広島地裁に提訴したことが1日、分かった。担当ヘルパーが訪問を控えていれば母親の感染は防げたとし、運営会社の安全配慮義務違反や使用者責任を問うている。
 報道によれば女性は4月3日に発症し……

第2回 コロナが訪問事業に落とす影

第2回 コロナが訪問事業に落とす影

 施設におけるクラスターと比べ、訪問介護や訪問看護、ケアマネジメント業務等、いわゆる訪問系での新型コロナウイルス(コロナ)の影響はこれまであまり聞かれなかった。
 ほとんどの施設では、緊急事態宣言下と同様に家族の施設来訪・面会を謝絶しており、変わらず感染のリスクに神経を尖らせなければならない日々が続いている。一方で訪問系においては、利用者、職員やその家族等関係者に陽性反応が出たといった報告が顧問先から幾つか寄せられ、その瞬間はヒヤリとするが、そこへの訪問や出勤を停止することで感染拡大等の事態には至っていない。地域のデイサービスやショートステイが閉鎖することで、ニーズが高まりむしろ多忙になった事業所が多いという印象であった。
■ケアマネが一斉に退職届
 ところが最近、まさにコロナの影響による“大事件”がある事業所で起こった。遠い県外まで新幹線で現地に赴いたが、それは次のような事態であった。
事業所は……

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第2回 コロナが訪問事業に落とす影

第1回 介護施設の新しい生活様式

■利用者も家族も職員もストレスをためている
 筆者は「介護弁護士」である。高齢者・障害者介護の現場で起きるトラブル解決を専門として開業し、11年になる。
 今年、誰もが想像しなかった世界的事件が起きた。新型コロナウイルス(コロナ)の影響で、人々の交流が分断され、数名で集まることもできなくなった。介護施設も例外ではなく、家族の面会や利用者の外出は禁止された。それでも全国の施設で陽性者が出始め、ひいてはクラスター(集団感染)が勃発する施設が相次ぎ、連日のように報道された。高齢者は特に抵抗力が弱く、基礎疾患もあることから1人でも陽性者が出現すればあっという間に感染拡大してしまう。見えない敵の襲撃に晒されながら、外部との接触を極力遮断し、戦々恐々とする日々が続いた。
 2020年7月現在、緊急事態宣言は解除され、都道府県間の越境も可能となった。未だマスク着用、ソーシャルディスタンスは維持されているが……

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